Tom Fielding Golf School Japan
リピータブル スイング|再現性を高めよう どうしたら ゴルフが上手になれるか。答えは 当たり前のことだが グッドショットの割合を高め、大きなミスショット、例えば、OB になるようなショットの頻度を下げることである。そのためには 自分のゴルフスイングの再現性を高める必要があるが、グッドショットが出るスイングを繰り返し再現するには 様々な工夫が必要で その鍵を握るものが クラブの感触である。 ♦ スイングの再現性 グッドショットは 時々出るが それを高い頻度で打てない。偶々 間が良かった時に グッドショットになるに過ぎず、グッドショットが出るスイングを思うようには 再現出来ないという問題を 貴方は 抱えていないだろうか。如何に 素晴らしいショットが時々出来ても 繰り返し 再現できなければ お気付きの通り その価値は 低い。それが出ることを期待し 毎回 ショットをするだけでは 残念ながら 良い結果にはならない。上手になるには 絶対に ゴルフスイングの再現性に拘る必要があり どうしたら 毎回 同じようにクラブを振れるのかを考える必要がある。そして、その高い再現性の実現こそが ゴルフ上達の鍵なのだ。 そんなスイングの再現性を考える上で大切なのが スイング時のクラブの感触だ。最終的に クラブフェースで ボールを捉えるのだから クラブヘッドが何処にあって、そのフェース面が何処を向いているのかとか、シャフトのしなりの感触などが 重要なことは言うまでもない。それを感じ取って コントロールしているという感覚がなければ 毎回 同じようにクラブを振ることは 難しい。そんな クラブの感触は 上半身の回転や下半身の安定 そして 体全体のバランスなどの影響も受けるが、何と言っても (a) クラブの握り方と握る強さ、(b) 手首の使い方、(c) 腕の振り方に左右されるところが大きい。 ♦ 手首の使い方 下記のイラストは アメリカのトップツアープロのバックスイングの写真をベースに作成したものだが、テイクバックで クラブが腰の高さまで上がった (1) の時点では コックを あまり入れていないことが分かる。 ただし、(1a) のようにこの時点でコックを入れてクラブヘッドをより高い位置に運ぶことも出来る。(1b)の時点では両腕が上がっている段階です。また、手が頭より高い位置に上がった。 (2) の時点でもコックの入れ方次第で クラブヘッドは, (2a) にまで行くスタイルにもなる。しかし、この選手はコックを抑え気味に使ってスイングをしトップは シャフトが地面と水平になる前のポイント (2) で止め バックスイングを完了させている。 クラブヘッドの動きは コックを入れる動作の前半に加速し早くなり、その後半に減速し遅くなる。その変化の度合いは コックを大きく入れれば 大きくなるし、小さくすれば 小さくなる。一方、クラブの感触はこの加速、減速の変化の度合いが大きくなるとコンスタントに感じ取ることが難しくなるという性質がある。 ♦ 重力質量と 慣性質量 クラブの感触について説明するあたり まずは 重力質量と慣性質量という概念について簡単に説明しよう。引力と質量によって重力質量 つまり ものの重さが決まるが、長い棒の先に錘が付いていれば その棒の長さに比例して 手元に感じる重力は てこの原理で大きくなる。因みに、クラブの重さ(重力質量)は クラブが地面に 水平な時に 最も大きくなり その時に クラブの重さ、即ち、感触を(クラブが動いていない条件下では)最も 明確に感じ取ることができる。一方、慣性質量は ものが加速しながら動くことによって 質量と加速度が変数になって生じる力で それによっても ものの質量、即ち、重さを 感じることができる。つまり、クラブを感じながら打つためには 重力質量か慣性質量の何れか または 両方を使う必要があるのだ。 ♦ クラブの感触の最大化 我々の多くは 前述の (a) (b) (c) が大きく、一方で (d) の体の回転が不十分になる傾向があるが特に コックが必要以上に大きく左腕の肘が大きく曲がる傾向がある。トップでシャフトが地面と平行になるイラスト (2a) のようなイメージで 腕を振り、コックを入れているからだが、その考え方を まずは 変える必要がある。トップは (2) で止めるイメージで (2a) になるのが一般的で (2) で止めるには (2b) で止めるくらいの意識が必要になる。 いずれにしても、クラブの重さは 体から離れた所にあった方が大きく感じられるものだから 多くの人は イラストの (2) もしくは (2b) のイメージで コンパクトな ゴルフスイングをし クラブヘッドを遠くに 置くイメージ、そして、クラブを直ぐに上に持ち上げないようにスイングすることで クラブを より明確に感じることが出来るようになるはずだ。 一方、ダウンスイングでも 継続的にクラブを感じながらクラブを振るには コックを腕が太ももの辺りに落ちてくるまで 解かないようにすべきである。コックが解け始めると クラブヘッドは 一気に 加速(ただし、その後 直ぐに 減速)されるが、加速モードで クラブの感触は その慣性質量によって大きくなるものの 減速モードでは その逆の現象が起きる訳だから ボールに クラブフェースが当たるまでは クラブヘッドは 加速モードで動いて その感触を その慣性質量によって 常時 明確に感じ取れるようにしたいという理屈になる。 クラブヘッドが 加速モードで動いている時に起きる もう一つの注目すべき現象がある。それは シャフトのしなりである。シャフトは クラブヘッドが 加速モードで動いている間は 右のように しなる。つまり、シャフトのしなりを感じられるように 体を動かし 腕を振ることで クラブを上手く操れるようになるという考え方も出来ると言うことだ。シャフトが好ましく しなった状態でボールを打ってやろうという感覚でクラブを振るのである。分かり易い感覚だから 試してみると良いだろう。 クラブを より感じながらスイング出来れば それを コントロールする 体の動きをどうすれば良いかということも 自ずと 感じ取れるものである。しかし、シャフトの感触や クラブフェースの向きの感触がなければ スイング中に 体をどのように動かせば良いかも決めかねるだろう。結果として、ボールが何処に飛んでいくのか 自信を持てない状況でクラブを振ることになり、その不安がスイングのバランスを さらに崩し 大きなミスショットの原因になることもある。 最後に 繰り返しになるが スイングの再現性を高めるには クラブを感じ取ることが出来るスイングを身につける必要があると言うこと。そして、それが出来れば、大きなミスショットをすることは激減するだろうし、自分のショットに対する自信も大きくなるだろう。その観点から実験的に試して欲しいのが 次の三点である。 (1)コックを 小さく抑え目に (2) 腕の振り幅を小さくし肘を大きく曲げない (3) シャフトの "しなり" を感じられるよに 腕を振る 現在、貴方がどんなゴルフスイングをしているにせよ、この三点を実行し クラブの感触の変化をまずは 実感して欲しいのである。その上で、最終的にどのようなスイングにすればショットの再現性が高くなるかを考えてみよう。これを機会にスイング中のクラブの感触がスイングの再現性に及ぼす影響と前述のスイングメカニズムについて もう一度良く考え、自分のゴルフスイングが どうあるべきかを 十分研究してみて下さい。
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トム・フィールディング
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