運動技術＝身体運動を行うための方法

→運動技術は、身体運動を行うための方法的知識。技術を知っていても、技能がともなわなければ身体運動を正しく遂行することはできない。

※つまり運動技術は、運動を遂行するうえでの宣言的知識。身体運動を対象化し、その手順を表象として知っていること。

・ 運度技能＝運動技術を練習することで身についた能力、スキル

→運動技能は必ずしも身体的能力のみに限定されない。ゴールを決めるときの精神力のような精神的能力もまた、運動技能に含まれる。

・ 運動技能のサブカテゴリー

→身体的能力…筋力，瞬発力，持久力，調整力，柔軟性など

→精神的能力…意志，判断力，冷静さ，集中力など

◎部分的技能…運動技術は複数の部分技術から構成されており、運動技能もまた同じだけの部分的技能に区別される。部分練習と全体練習を組み合わせて上達する。

・ 二種類の運動技能

→オープンスキル…つねに変化する状況（相手やボールの位置など）において発揮される運動技能。武道，格闘技などが典型的。

→クローズドスキル…外的条件に左右されることのない状況下で発揮される運動技能。ボウリング，射撃，弓道，体操，水泳などの個人スポーツが典型的。

→両者の組み合わせ…サッカー，テニス，野球などの集団的球技では、オープンスキルとクローズドスキルの両方が含まれる。

・ 運動技能の上達

・ 運動技能の上達

→運動技能は3つの段階を経て上達してゆく。上達とともに、その運動を行わせるのに必要な神経回路が形成される。

→①試行)錯誤の段階…運動技術が理解できていても、動作がうまく遂行できない。たまにうまくいくだけの段階。

②意図的な調節の段階…どこに注意し、どのように修正すればよいかが分かる。部分的技能を意識するとうまくいく段階。

③自動化の段階…運動が洗練され、意識しなくてもできるようになる。どう動けばよいか瞬時に判断できる段階。

→上達の過程…練習量に比例して右肩上がりで上達するのではなく、向上と停滞を繰り返して上達する。技能が一定レベルで停滞する時期をプラトー、技能の後退が見られる時期をスランプと呼ぶ。

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・ 熟練とは何か

・ 熟練とは何か

→熟練＝練習によって技能が向上すると、身体の動作を意識しなくても思った通りに良い動作ができるようになる。

※熟練とは、身体運動に関する宣言的知識が身体に習慣として刷り込まれること、宣言的知識が手続的知識へと身体化されることに近い。これはまた、形式知が暗黙知へと変換されることでもある。

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・ 熟練したプレイの特徴

・ 熟練したプレイの特徴

① 動作(どうさ)が正確(せいかく)でタイミング(たいみんぐ)が良い(よい)…(・・・)目標(もくひょう)とする点(てん)に球(たま)が到達(とうたつ)する，フォーム(ふぉーむ)が的確(てきかく)である，適切(てきせつ)な瞬間(しゅんかん)にパス(ぱす)を出す(だす)，相手(あいて)の動作(どうさ)を正確(せいかく)に予測(よそく)する，など。

② 動作が素早い…相手や味方の動きやボールの変化に対する状況判断が早い，状況判断に対応する動作の開始が早い，すでに開始した動作を状況の変化に対応して即座に切り替える，など。

③ 動作が安定している…動作中の姿勢がふらつかない，動作ができたりできなかったりすることがない，思った通りの動作がつねにできる，良いときと悪いときのパフォーマンスの差が小さい，など。

④ 一連の動作がスムーズでまとまっている…手足など身体各部分の動作が同時にかつ精密にコントロールされている，複数の動作がなめらかでリズミカルに連続する，など。